近年、自転車は健康志向の高まりやスマートシティの移動手段として注目を集めています。東京都目黒区など一部自治体では、駐輪場の設置が義務化されるなど、行政もその推進を支援。再開発地区での駐輪場整備がどのように進んでいるのか、具体的な事例や補助制度について詳しく解説します。
附置義務制度(ふちぎむせいど)とは、駐車場法に基づき、一定規模以上の建物に対して駐車場や駐輪場の設置を義務付ける制度です。路上駐車や放置自転車を防止し、都市の円滑な交通を維持することを目的としています。そのため、百貨店や銀行、映画館、オフィスビル、集合住宅といった多くの人が利用する施設には、その規模に応じた駐車・駐輪スペースの確保が義務付けられています。
対象となる地域は、都市計画法で指定された駐車場整備地区や商業地域、近隣商業地域のほか、大規模な再開発地区も該当します。例えば、大規模な再開発が続く渋谷駅周辺では、主要施設の地下に大規模な駐輪場・駐車場が併設されており、利便性の向上と街の美化に大きく貢献しています。
施設の種類ごとに定められた必要な駐輪スペースの基準は、以下の通りです。
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施設タイプ |
必要台数基準 |
スペース目安 |
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小売・飲食店 |
20㎡/台 |
幅0.6m×奥行2m/台 |
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集合住宅 |
住戸数×0.5-1/台 |
屋内優先 |
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駅前施設 |
需要予測ベース |
公共連携 |
再開発地区では、歩行者や自転車の利便性向上を目的に駐輪場が整備されています。ここでは、全国各地の再開発地区で実施された事例を紹介します。
蒲田駅周辺の自転車利用者の増加に対応するため、駅周辺駐輪場の再整備が進行中です。
東口に建設中の地下駐輪場は収容台数約2,800台を予定しており、歩行空間の拡充や放置自転車の防止効果が期待されています。
練馬駅北側では、地下駐輪場の整備が進められ、駅周辺の放置自転車対策と快適な移動環境の実現が図られました。
東京都中央区において、新設された複合施設にICタグ機械式204台分の地下駐輪場を設置。施設利用者の利便性を向上させています。
東京都大田区の京急蒲田駅に直結する複合商業施設「あすとウィズ」の地下1階に、同施設の利用者向け自転車駐車場に、公共自転車駐車場を併設したという事例になります。
JR常磐線と関東鉄道常総線の接続駅である取手駅に、歩行デッキで行き来できる駐輪場を設置したという事例。機械式駐輪456台、自走式駐輪417台(うち原動機付自転車80台)の駐輪が可能となりました。
山陽本線・播但線・姫新線の在来線3路線と山陽新幹線が乗り入れる西播磨の拠点、姫路駅。同駅周辺では、鉄道利用者や商業施設の来場者が共に利用できる駐輪場を、高架下スペースを有効活用することで広く整備しています。都市計画に基づく附置義務を果たしつつ、高架下という雨露を凌げる立地を活かすことで、駅周辺の放置自転車防止と利便性の向上を両立させている好例といえるでしょう。
JR京葉線と武蔵野線の停車駅である新浦安駅。その駅前の複合施設であり、保育所、カフェ、行政サービスセンターなどが入居する「新浦安駅前プラザマーレ」の1階と地下階に約2,000台分の駐輪場が設置されています。
JR尾張一宮駅前の複合施設であり、図書館や子育て支援センターなどが入居するi-ビルの1階に162 台分の駐輪場を整備。同施設利用者は一定時間無料で利用できるよう配慮されています。
大阪府箕面市では、1980年建設の自転車駐車場を一新。新規建て替えに伴い、1階部分に地域活性化施設としてブックカフェが併設されています。
大規模再開発が進むJR大阪駅前。その先行開発区域「グランフロント大阪」に自転車駐輪場を整備。梅田エリアの駐車場との広報連携などが行われています。
吉祥寺の市有地に3階建の施設を建築。1階はバイク駐車場と共同集配送センター。2階と3階が自転車駐車場という構成となっています。
住宅と商店が混在するエリアに、4階建ての建物を建設。建物1階部分はテナントとして楽器店が入居。その横に自転車駐輪場利用者向けのスロープが設置されています。
商業施設、事務所、自動車駐車場などの多目的ビルとして建設された建物の1階と2階部分を吉祥寺市が賃借し、自転車駐輪場に。武蔵野市のベビーカー貸出サービス事業「ベビ吉」の貸出場所としても活用されています。
自転車駐車場の管理運営を行う「自転車駐車場整備センター」と、三郷市がシルバー人材センターに管理を委託している「自転車利用促進サービスセンター」の2者によって建物を合築したという事例になります。
阪急京都本線の上牧駅前に、自転車駐車場をメインとした複合施設として整備。高槻市の行政サービスコーナー、公衆トイレ、市立図書館の自動図書貸出返却コーナーが併設されています。
近鉄奈良駅前の自転車駐車場不足を解消するため、青空自動車用駐車場の2階部分に、スロープ式の自転車駐車場を増設したという事例になります。
市庁舎の敷地内に、屋上をスロープ式の自転車駐車場とした建物を建設。1階にはコンビニ、アビスパ福岡、ソフトバンクホークスのグッズショップが入居しています。
武蔵野市所有の施設を老朽化に伴い建て替え。LED照明、搬送コンベア、防犯カメラ更新、自動ゲート設置などで、利便性と防犯性を大きく向上した事例です。
既存の自転車・バイク駐車場の建物に、屋根と外壁の遮熱塗装を施し酷暑への対策を実施。併せて内装工事、LED照明や防犯カメラへの交換なども行い、利用者の安全性と利便性を向上させています。
複数個所に点在していた平面式の自転車駐車場を、堺市の「堺鳳駅南地域まちづくり計画」に伴い、ひとつの建物に「立体集約化」したという事例になります。
特に東京都内では、駐輪場の新設や運営に対する補助金制度が導入されており、自治体によって支援内容が異なります。ここでは、いくつかの自治体の助成制度を紹介します。
再開発地区では、自転車利用の促進を目的とした駐輪場整備が進められており、自治体ごとに補助制度も用意されています。駐輪場の設置や改修を検討している事業者は、これらの補助制度を活用することで、負担を軽減しながら利便性の向上を図ることが可能です。
再開発地区での駐輪場整備に関心がある方は、各自治体の公式サイトや補助金制度をチェックし、最適な方法で整備を進めていきましょう。以下では駐輪場管理システム会社について紹介しているので、ぜひご覧ください。
駐輪場の設置・導入を行っている企業の中でもそれぞれ得意分野や対応の範囲に違いがあります。有料駐輪場の設置から管理・運営まで行っている企業や、簡易式駐輪装置の設置を行っている企業などさまざまです。ここでは設置・導入の目的に合わせてそれぞれおすすめの企業を紹介します。

例えばこのような方に
中・大規模の駐輪場を検討している鉄道会社、商業施設、自治体、ゼネコン、デベロッパーなど
おすすめポイント

例えばこのような方に
駅近に狭小地や変形地を所有しているが、有効活用できず持て余している地主
おすすめポイント

例えばこのような方に
駐輪ラックの新設・改修を検討しているビルやマンションのオーナーや管理者
おすすめポイント
【選定条件】Googleで「駐輪場 システム」「駐輪場 土地活用」と検索して公式HPが表示された駐輪場設置業者40社を抽出(2024年6月26日調査時点)。
・NCD:駐輪場の企画・設置・管理運営までトータルで行っている企業の中で,対応範囲が一番広く、国内での対応箇所数が記載されている中で一番多かった点。
・パイン:土地活用系駐輪場設置業者の中で、短期スタートが実現可能で、変形地・狭小地への事例、国内での対応箇所数が掲載されている点。
・フルテック:簡易駐輪ラック販売設置会社の中でラックの種類が1番豊富な点。